イルカ・クジラってどんな生きもの?
イルカ・クジラ・7ストーリーズ

○生命の力強さ ブリーチング(Breaching)
体長約15メートル、体重約30トン…その大きなカラダを豪快に持ち上げ、ザトウクジラはジャンプします。「ブリーチング(Breaching)」と呼ばれるこのジャンプは、交尾や出産のシーズンによく見られ、仲間に何かを知らせる合図、あるいは、自分の強さを異性にアピールするデモンストレーションだとも言われます。500人の人間を一度に持ち上げるのと同じエネルギーが必要といわれるブリーチング…。今日もどこかの海で、彼らの力強いジャンプが海面を揺らしているはずです。
○愛を歌う ソング(Song)
ザトウクジラのオスは繁殖期になると“歌”=「ソング(Song)」を歌います。同じ海域のクジラは同じ歌を歌い、クジラが暮らす海域ごとに、また、同じ海域でもシーズンごとに曲が変わると言われています。特徴あるフレーズをつないだこの歌は、メスへの求愛の歌=ラブソングとも言われ、その長さは、数分から長いものでは数時間も続きます。
○地球を旅する 回遊(Migration)
冬、ザトウクジラは赤道近くの海で子供を産み、暖かくなるにつれて、子育てをしながら、長い旅に出ます。夏、豊かな極地の海でしっかりとエサを食べた彼らは、次の冬が来ると、また、暖かな海へと帰っていきます。まるで渡り鳥のように季節によって回遊するザトウクジラ。1年間、往復1万数千キロにも及ぶこの旅は、体重の20〜30%を失ってしまうほどのエネルギーを費やすとも言われます。それでも、彼らは、毎年、この地球サイズの旅を繰り返し、いつもの場所に戻ってくるのです。
○仲間との絆(きずな) テイルスラップ(Tail Slap)
マッコウクジラは10Kmほど離れたところにいる敵の存在をお互いに知らせあい、仲間を安全な場所に逃がしてしまうことがあるといいます。敵に気付いた一頭が、潮をふいたり、巨大な尾びれで海面を打ちつけたりします(テイルスラップ)…。海原に響き渡る大きな音で、群れがいるように思わせ、仲間を別の方向に避難させてしまう。群れで生きるイルカ・クジラたちは、互いを守るために、力をあわせるのです。
○スピード 泳ぐ(Swim)
船の舳先(へさき)を波に乗り、負けないスピードで泳いでいくイルカたち…。そのスピードは、バンドウイルカで時速約30キロ、イシイルカで約55キロ。シャチにいたってはなんと約64キロものスピードで泳ぐと言われています。人間は世界記録でも時速7〜8キロ…イルカたちには到底かないません。流線型のカラダと強力な尾びれのキックが生み出すこのスピードには、イルカたちの皮膚にも秘密があります。彼らの皮膚は2時間〜1日おき、ヒトの9倍の早さで新陳代謝によって生まれ変わり、常に抵抗の少ない状態が保たれているのです。
○遊び心 バブルリング(Bubble Ring)
人間の鼻にあたるイルカの噴気孔。海面で息をつぎやすいよう、進化の過程で背中に位置を変えたとされるその噴気孔から、イルカたちは水中に泡のリング(バブルリング)を作り、その泡で遊ぶことがあります。ふわりと浮かんだリングを、口先でつつき、形を変え、大きくなったリングの中をスルリとくぐり抜けてみる…。それだけではありません。サーファーのように波に乗ったり、海に漂う海藻の切れ端を胸ビレでキャッチボールしたり…。イルカたちは遊び心も忘れません。
○つながり ベビーシッター(Baby-sitter)
イルカは私たちと同じほ乳類。人間の赤ん坊と同じように、生まれてから1〜2年は母親からお乳をもらい、3〜4年ほどは母親と一緒に過ごします。しかし、時として、そんな子イルカが、母親とは別の若いメスに寄り添われて泳ぐ姿が見られます。いわばイルカの「ベビーシッター」。群れをなして暮らすイルカ・クジラの暖かいつながりを感じられるシーンです。まだ子供を持たない若いメスのイルカにとって、それは、やがて母親になるための大切なトレーニングなのかもしれません。
投稿者 web担当ICERCおの : 更新2004年06月24日, 01:29